221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

Zoomを使ってうちの子がお友達と一緒に勉強をしてみた話

長らく休校が続いて、学校から配られたプリントだけじゃうまく勉強ができない我が子。それではと腕まくりしてみても、オトナの都合で1日つきっきりになって教えられない and もはや角度とか市区町村とかよくわかんないし、な親の苦悩。
部屋に一人こもって勉強なんてできないんです、ほとんどの子どもはさ。

兄弟がいたりするとなおさらですよ。兄が見ているテレビの誘惑、妹からのあそぼあそぼ攻撃、そもそもあたし勉強好きじゃないし……。

ちょうどこういうニュースもあがってました。


news.yahoo.co.jp


記事内にもあるとおり、まさに“学習環境を学校任せにしていた親”の一人という自覚がある自分からして、うーん、何かうまいことできんかなあとぼんやり思いついたアイデアを試してみました。


Zoomでお友達と一緒に勉強をする!


要はオンラインでつないだお友達と一緒に、遠隔で授業課題を進めてみるということです。


具体的にはこんな感じ──

  • おともだち
  • うちの子
  • おともだちのお母ちゃん
  • うち

がZoomに入り、親2人は「ミュート」「ビデオオフ」で鎮座。
つまり、親の顔は見えず、声も聞こえないけど、
あんたたちが何やってるのか/何しゃべってんのかちゃんとわかってるわよ
という状況です(笑)。



とても面白かったです。仲良し家族を誘ってみたからかもしれないけれど、アリな気がするなあ。

以下、所感す。

【いいこと】

わからなかったらお互いに聞ける

「課題ってどこに書いてある?」
「あのプリントの裏側にあるよ……ほら!」
ってこの『ほら』がホント大事で。
実際にプリントや教科書を見せあって、確認できるってホント素晴らしいコミュニケーション。

さみしくない、なおかつ集中できる

目に見えて勉強に集中してました。一緒にいるからサボれないのもあるのかしら。隣に仲良しさんがいると安心するのかしらね。
「もうプリント裏側いったよー」
「おお早い! うちまだ10番」みたいな。
1日かかってもできないことが比較的さらっと。

音読できる

一人で教科書なんか読みませんよ。
声に出した方がアタマに入るに決まっているのに、一人だったら読みませんよ。
だから「一緒に読もうよ」といえるお友達がそこにいるのって、とてもうれしいことなんですよ。

雑談もできる

「最近誰かと会ったー?」
「んー昨日公園でさー」的な会話ができる。
くしゃみをしたら「大丈夫?」って聞ける。

親は親で別のことができる

会話が自然と耳に入ってくればいいので、原稿書いたり、メール返したり、ミュートしてるから電話だってできます。見張っているつもりは全然ないしね。

子を見ながら親同士も相談できる

Zoomのチャット機能は送信先を選べるので、裏で親同士がチャットできるんですよ。
「子どもたち、集中力切れてんなあ」
「ホントにー」
「どうします? あと40分いっときます?」
「本人たちに聞いてみましょうか」みたいな。
全員宛に「どうするー?」とメッセージも送れる。これは便利。


子どもが普段、どういう勉強をしているのかわかる

自分的にはこれが一番メリットだったです。
“学習環境を学校任せにしていた親”って自覚がほんの数ミリでもあるならマジで響きますよ。
「ああ、もう3桁の掛け算とかふつーにできるのね」とか
「割り算、超ニガテじゃん」とか
「理科の問題むずっ! ゴム板なんてすぐ手に入るかよボケェ……てかうちの子、問題読み解くチカラなくね?」みたいな。
子どもの理解力、学力、そもそも学校で習っていることが手に取るようにわかります。

これ結構大きいと思うんです。
「今日学校どうだった?」と聞いたって「うん! 楽しかった!」で終わるでしょ。
「何か困ってることない? 勉強大丈夫?」「うん! 大丈夫!」で終わるでしょ。
実は学校が全然楽しくなかったり、勉強についていけてなくても、子どもたちが「大丈夫」と言っている以上、ツッコめない親御さんも多いと思うんです。
そういう意味で、学校の授業を学校の友達と勉強している我が子の姿を見るこういう機会は、かなり貴重だと思いました。

40分という時間制限がある

うちの場合、無料プランでしかZoomを使っていないので、1セッション40分という時間制限があります。
飲み会やら打ち合わせの場合、「40分なんて短すぎるよプンスカ」などと言われがちですが、子どもが勉強する場合この40分って長さがちょうどいいあんばいになりました。2時間も3時間も集中できないしね。
実際、小学校の1時間(1時限)は45分。その中で子どもたちは先生にあてられたり、問題を解いたり、友達とヒソヒソしたり、鼻くそをほじったりするわけで。
40分刻みを1セッションとする勉強習慣が身につけられば、日常の学校生活にもすっと戻りやすいような気がします。

afterコロナの可能性

学校生活のあり方がきっと変わるはず、の時代にうちらは生きているじゃないですか。それだったら、その流れというかうねりに立ち向かうよりも、順応していった方がきっと楽しいし、ラクだし、時代と向き合って超前向きになれる可能性があると思うんです。
月・水・金の分散登校とか、そういう学校生活が当たり前になる時代を迎えたわけです我々は。となると、学校での時間と家での時間の「オン/オフ」の割合が完全に「オン」寄りになりますよね。その「オン」の強度がずーーーっと高まっていってしまうと子どもは疲弊するんです。疲れるんです。漢字覚えるとか23区そらで言えるとか、そういうレベルじゃなくなるわけです。
だったらね、その学年ごとの吸収ってやつをサポートするのに、家でできることを探しているご家庭にとってこれはとても有益なやり方だと思いました。本当に。勝手に。


【気になったところ】

一緒に勉強するのは2人がいいと思います

ずっとしゃべっていたい人には不向き。だって、ずっと、しゃべっていられるのだもの(笑)。だから3人以上で集まっちゃうと「楽しい > 勉強」になってしまうかも。
それはそれで気分転換になるからマイナスなだけではないけど、向き不向きがありつつ、どの友達と一緒にやるかは大事。三人寄れば文殊の知恵と昔の人はいいことを言いましたが、令和2年春の自主学習においては2人がいいのかなーって思います。

見られていることを気にする世代には逆効果

今回のやり方は小学生~中学生にいいと思います。体感レベルでは「小3~中2」ぐらいかな。
受験生だと親の存在うっとうしいよね(笑)。親がそこにいることに不満を感じる世代は、ぜひ友達同士で“ちゃんと”やってください。




こんな感じです。
お試しに11時ぐらいから40分+アルファやってみたら「え? 午後もやるんでしょ?」とノってきたので、結局お昼ごはん後に15:00ぐらいまでバッチリ。
当然のごとく「明日もやろー」となり、2日目は10:00に集合。午前中だけで5時限分の課題が全部終わりました。
国語、算数、理科、総合。最後はしっかり体育まで。ラジオ体操とパプリカを画面共有して、家族みんなで踊りましたよ。




やっぱりね、春休み期間を挟んでとはいえ3カ月まるっきり学校がないって超異常事態ですよ。
家族のあり方、生活のあり方が“これまで”と大きく変わっていくこの時間に、しらずしらずのうちに性格が変わっちゃったとか、人付き合い忘れちゃったなんて子もたくさんいると思いますよ。
本人はいわんや、親御さんも気づかずにをや。

だからさ、首都圏の場合、緊急事態宣言が5月末で解除されるならされるでいいですが、withコロナ/afterコロナの時代を生きていく以上は、子らをいかにまっとうに育てなくてはいけないかを考えるにあたって、beforeコロナとスタンスを変えて向き合わなくちゃいけないと思うんです。本当に。

そんな過渡期にいろいろと試してみるのは可能性でしかないと思います。
家の中を見られたり、家族の会話がお友達の家にも伝わったりみたいなのはあるけれど、家の中を見られたり、家族の会話がその家に伝わってしまってもそんなにイヤじゃない人を選べば問題ないっしょそのへんは。イヤな人は無理しないでください全然に。

ということで結論、Zoomを使ってお友達と一緒に勉強するのはおすすめです。