221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 『Traffic』

ベネチオ・デル・トロ、マイケル・ダグラスドン・チードル、これにキャサリン・ゼタ・ジョーンズを加えて“4人の主役”とする人もいますが、まあ鑑賞後の感想からいうと最初の3人だけで十分です。
ただね、一つ言わせていただくとね、デル・トロが受賞したのが“助演”男優賞だってのが現実ね。2000年のアカデミー賞ね。
そっか、この年の主演女優賞をジュリア・ロバーツが『エリン・ブロコビッチ』で取ってるってことは、ソダーバーグの年だったわけだ。ただ、作品賞と主演男優賞はおれ的に超絶面白くなかった『グラディエーター』でありラッセル・クロウだってのが現実ね。

トラフィック [DVD]

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アメリカを揺るがし続けて久しい麻薬犯罪コネクション。そのルートのもとであるメキシコで、組織に翻弄(ほんろう)されながら職務をまっとうしようとする捜査官(ベネチオ・デル・トロ)、アメリカで麻薬ぼく滅に乗り出す国家の責任者(マイケル・ダグラス)と麻薬におぼれるその娘、また夫を救うために麻薬ルートに手を染めざるをえなくなっていく妊娠中の専業主婦(キャサリン=ゼタ・ジョーンズ)などなど、多彩なドラマを同時並行させながら、麻薬戦争の全貌を追うスティーブン・ソダーバーグ監督の問題作。
Amazonより


いろんなところで言われてますがね、舞台となる街によって映像の色を明確に変えているのがとてもユニークです。埃っぽい黄色、冷たい青、白が飛んでるコントラスト強めの色味。
その街で起こる出来事に非常にマッチしている。こういう工夫を他の映画でもぜひやっていただきたいよ。
ダークナイト』のゴッサムシティがきもち緑がかった黒色をしているのは、映画を観た人が緑・白・赤のジョーカーを目にしたとき、「ああ、この街にはこんなぶっ飛んだやつがいてもおかしくないよな」と、違和感なく狂人を見られるようにするためです。
これこそ映画作りじゃんか。“撮って出し”じゃあないんだよ。サイコならサイコ、ラブならラブで、作り手が観る側をどんだけ強引にあの手この手で世界に引き込めるかでその映画の魅力が決まるんだよ。
って思うよ。
雪降るよ。