いつだっけ。火曜日か。
前の晩寝るのが遅くて、次の日に外アポがなかったので、起きるまで寝ていようと目論んでた火曜日か。
先に起きていた家内がボブを抱えて寝室に飛びこんできたのです。
「火事! 火事!」
おお、たしかに非常ベルがけたたましいぞ。火元はうちではなさそうだが、玄関を出ると隣の石原さんが血相を変えて「いま消防車くるから!」。
おおお、こいつぁ本意気じゃないですか。
外廊下から火元とされる101号室を見ても特に変わりない、が、裏手の窓から煙がモクモクだったとな(家内証言)。
とりあえず着替えて、財布と携帯とモコモコさせたカズハを連れていこう。外は寒いからな。いいかいカズハ、3月の東京はまだまだ寒い日が続くのだよ。
んで表に出るとさー、遠くからウーウーカンカン大騒ぎなんだわ。あっという間にホント大騒ぎなんだわ。
大騒ぎっつったら同じマンションの奥様連中に「あら221さんのお父ちゃん今日もおうちにいるのね」ってな感じの「おはようございます」だってプチ騒ぎだって。
どうやら天ぷら油に引火したのだってさ。かるーいバクハツを起こしたのだってさ。
奥様方はちびっこを幼稚園のお迎えバスに乗せた後、マンション前でおしゃべりをしていた居残り組だったので、そのバクハツ音がちょうど聞こえたのだってさ。
とはいえその瞬間は「ん? だれよ、いまでっかい屁をこい(中略)のは!」てな罪のなすりつけ合いに夢中で、消防車6台、救急車&パトカー1台ずつの大所帯が大挙して押しかけてくるとはちょっとしか思ってなかったはずで。
ま、結果的になにごともなかったのですがね。101号室の台所まわり以外はね。いっとき早宮4丁目界隈は騒然としましたよね。“ものものしい”とはまさにあのこと。
間近で滅多にないからと、ちびをあやすふりして敷地内に居残り、到着してからの消防士さんの動きをずっと見てましたけど、すごいですね彼ら。
いくら住人とはいえ、おれらみたいなシロートがどんだけ「大丈夫みたいよ」なんつってもピクリとも聞く耳持たず、ホースを伸ばし、水源を確保し、けが人が運びだされる前提でいる。安全が確認されるまで。
ちゃんと訓練している人間の動きでした。ありがとう。
とまあそんな火曜日の朝でした。
101号室さんの父ちゃん、仕事から帰ってきたら家が燃えてたってびっくりするだろうなあ。
少年も無事だったし、人への被害がなかったのが不幸中のナントカで。
火の元・戸締り、うちも気をつけましょう。