まずはぼくは、タイトルバックで流れてきたエディ・ヴェダーのしゃがれ声に「ふむう」と唸りました。
2007年公開、米国映画『イントゥ・ザ・ワイルド』。監督はショーン・ペン。
あんまり好きじゃない俳優さんの監督作品です。
あらすじ──
1990年夏、大学を優秀な成績で卒業したクリストファー・マッカンドレスは、ハーバードのロースクールへの進学も決まり、将来を有望視された22歳の若者だった。
ところがある日、周囲に何も告げることなくすべてを捨て、彼は姿をくらました。
これがクリスの“真実を探す”壮大な旅の始まりだった。
最終目的地は──アラスカ。
旅を安易に啓発する薄っぺらなロードムービーでなく、葛藤なんつー青臭い某を極力見せず、女の子とのもにょもにょは必要最低限でしかも美しい。
出発で全財産を寄付あるいは燃やしながらも、途中牧場やファーストフード店で仕事をする描写はとてもよかったです。
“アラスカに行くのだ”という想いを劇中において明確にするため、これは必要です。ゼッタイに。
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彼が、クリストファー・マッカンドレス本人。
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最初ディカプリオにしか見えなかったエミール・ハーシュもなかなかでした。
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アラスカ入りする前、最後に彼と接した人物ロン・フランツを演じたハル・ホルブルックは、アカデミー史上最高齢のノミニーとなったそうです。たしかに印象深い涙および岩山でした。
振り返ってみると、二度と会えない覚悟をもって皆は「また」と言っていた。たまたま家族で観ることができたぼくは、とても幸せなのだろうとおもいます。
「幸福が現実になるのは それをだれかと分かち合ったときだ」
今際の際に気づいたことで、
彼の一生は輝かしいものになったのだろう。