221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 宮さん

すこやかに。

宮さんは河口の高校んときの友だちで、
そんなことからおれも友だちになって、
有楽町のインズっていう横長のかたちした商業施設に入ってるレストランのウェイティングバーでバーテンをやってて、
ひとりカウンターの向こう側にいる姿はひどく大人びていて、
生まれて初めてひとりで酒を飲みにいくだなんてことをさせてもらったお店で、
店がはけてから何度か朝まで飲みあかしたりもして、
当時宮さんにつきまとってたお姉さんと三人でなぜか飲みにいったりもして、
とはいえいつもいっしょにいたわけでなく、タイミングがあえばってなもんで、
それこそ卒業後なんて河口経由で近況を聞いてたぐらいで、
連絡先も知らないし、会う機会もなかったし。


このあいだの日曜日の夕方に河口からメールが届いた。件名が「訃報」だった。その日の朝に亡くなったそうだ。
瞬間、クールマイルドを吸ってる宮さんの顔がパッと出てきて、どこまでもひょうひょうとしていてホッとしたけれど、いなくなったことを実感して、グッときた。
病気してるのは聞いていた。しんどかっただろうな。
奥さんから連絡があったそうで、残された家族は本当にツラいだろうな。
もう一度会いたかったな。もう一度、会いたかったな。
たんたんとだけれども、本当にそうおもった。もう一度会いたかった。
会って
「おれがいま、お酒がどーのこーの言ってるのは、全部宮さんから始まってんだぜ。知らなかったでしょ」
って言ってやりたかった。


宮さんとおれ、誕生日がまったく同じなんです。1978年3月6日。ホントのホントの同い年。
いずれありがとうを、直接言うわと、笑顔の写真にこめました。
ちょっと早いけどお疲れさま。
また。