保険にまだ入っていないとはいえ、クルマを復活させてウカレポンチになるのもいかん。
ということであの苦い経験を思い出してみよう。
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あれはクルマを買って一ヶ月後のことでした。
前にちょいと書いたけどな、初めて行ったサーキットでオラは刺さったのだ、壁に。
まあ壁といってもウレタンだったが、その向こうのタイヤバリア、そのまた向こうのガードレールまで達したので、顔面がくっちゃり逝ってしまったのはいたしかたないところかと。
アサイチにてタイヤに暖まる時間を与えなかったらケツが出るのは必至ですよ。
なぜかアタマの中に「クルマはアクセルを踏んでいるときが一番安定する」という言葉のみ残っていた。
つまり「ケツが出た→アクセル踏む→おつりをもらう→びびってアクセル戻す→グリップが戻りクルマが向いてる方向に飛んでいく→刺さる」という、まあ下手くそココにあり的な挙動でボーンです。
その瞬間何が起きたのかわからず、エンジンが止まってたからキーを回したら普通にかかったんす。
でも黒旗振られてるし、ボンネットも“く”の字に曲がってたからただ事ではないなと。
ピットに戻ってクルマを降り、前から愛車を見てみたらこんな感じ<写真参照>。「ウソだぁ」って思った。
結局その日はローダーを呼んでもらって近くの板金屋まで運び一晩置かせてもらった。オラはお店の人のクルマで東京まで帰ってきたの。
一応家族にも刺さった旨を伝え、自分の部屋に入った瞬間涙が出てきたねぇ〜、情けなくてさ。
オレがあそこでこうしていれば、もっと慎重でいればと、タラレバが頭を駆け巡り続け、生まれて初めて泣き疲れて眠るという体験をしましたよ、ええ。
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いまのところ事故ってのを経験したのはクローズドの世界で起きたそれだけなんすが、何かとビビリになったのはそれからかも。
「やるだけやっちまえ」ってのはいいと思うんだけどさ、最低限の保険なり予測ってのはかけておいて然るべきものに違いないわけで。
その判断のラインが年齢・経験によって研ぎ澄まされ、限りなくその限界点に近いところで繰り広げられる人生ってのが理想的なんかなあ、と。
ぼくなんかはそう思ってしまうのです。