221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 筒井八尋

撮影:一葉

おれと同じく、そして一葉と同じく数字を入れたい。
さらには「221kg」や「一葉」のように、“単位”になればすてきじゃないかと思っていました。
筒井八尋
「尋(ひろ)」というのは海の深さを表す単位です。釣糸を水の底までたらして、その長さで水深を計測することからいまも漁師さんや釣り人が使う単位だそうです。
ひもを持って両手いっぱいに広げた長さが「1尋」です。つまり、厳密にいうと人によってその長さが異なるのです。
便宜上、現在は1尋=6尺(≒1.818メートル)に定められているけど、同じ1尋でも人それぞれ長さが違うってすごく面白いね。


我々は社会という名の大きな海に暮らしている。
海には標識がない。存在はするが、目に見えない。この青がどこまで続いているのか、1尋の積み重ねでしか底が測れない。
きみがものさしとなりなさい。まずは自分の1尋を知り、人の「知りたい」にそっと寄り添いなさい。そして正しい答えを導き出すお手伝いをなさい。
「尋ねる」とは、自分の現状を理解した人が相手に問うという行為。知るも知らないもそのおおもとは、人の話に耳を傾ける姿勢にあるとお父さんは考えています。

「八尋」という言葉自体に「非常に大きいこと、長いこと」という意味があります。自分の何倍もの大きさ・長さを測るには、きみ自身にもある程度の大きさ・長さが必要でしょう。いわんや社会という大海にてをや、です。
そしてまた一葉とならべば“イチかバチか”という気にもなるでしょう。いずれ2人でいろいろなことに挑戦なさい。いつまでも姉弟なかよくね。
【八尋:やひろ】という名前には、そんな想いがこめられています。
いい名前だと思っています。