片山修『取材術』
90年に刊行されたインタビュー術指南書。そう。バブル全盛のころに書かれたものなので、前述の永江朗本とは時代が違う、色合いが違う。でもインタビューの根本は同じだということがよくわかる。
事前準備の大切さ、テープレコーダーの使い方、取材の時間配分などなど。著者は地方紙の記者からジャーナリスト人生を歩みはじめた人なので、政治・経済・社会系のネタに強いようだ。でも取材活動の根っこの部分は、来し方や時代が違えども、聞く人と聞かれる人がいる以上変わることはない。
たしかに僕たちは毎日を何かしらの取材をしている。「どっかいいお店がないか」「何か面白いことはないか」と雑誌やテレビ、本にラジオを聞いて探している。それは世の中では何が流行っているのかを知り、気になったところへ自分の足で赴くための情報収集をしていること。それが取材活動でなくてなんだということ。
