「あーーーすみません。その日はもう予定が入っていて……」
という仕事の断り方を幸いにして最近とてもよくしているおれは父ちゃんです。親父です。
本当に別件が入っている場合も、雪予報だから外出は控えようってときも、同じぐらいの熱度で本当に申し訳なく断ります。問答無用ですが、できるだけ残念がりながら断ります。
それはなぜって、仕事よりも大切なことが世の中にはあふれかえっているからです。そのうちの一つ二つが家族であり家庭であり、二度と返らぬ時間だからです。
日々暮らしてるといろいろなことを夢想します。本当にいろいろなことを。
たとえばそこが舞浜方面の夢の国だとして、園内で食べ物か何かを落としてしまったときに、「うわああああまいったなあ店員さん早く新しいの持ってきてくれないかなあ」などという勝手な期待を抱く子には育ってほしくないと思っているよ一葉。
子は自らを映す鏡だってことをここ4年痛切に感じているからこそ、父ちゃんも母ちゃんも身を律することにしているよ。
その母ちゃんも今日がお誕生日です。本当におめでとう。きみと出会って早何年？ たしかあれは2004年のどこかだと思うので10年強だね。よくもまあそんな長い時間飽きもせず（たまに飽きつつも）付き合ってくれてありがとうです。よき母・よき妻の前に、いい女でいてくれたらあたしゃ万々歳です。道行く男子がすれ違いざまにピュゥイッと口笛を鳴らすような、「おいおいいまのマブいスケ見たかよ」とひそひそされるぐらいの、そんな女子を目指してください。本人にそのつもりがなくても勝手に期待しますので目指してください。そうしてください。
あの頃の乳児がカウンターに座るようになった今日の東京は雪です。父ちゃんは朝イチから横浜の奥の奥だけど午後には帰ります。夜にはケーキでも食べましょう。
ふたりとも、お誕生日おめでとう。
