田舎の風景とは「チャリのメット」「交通標識」「巨大靴屋」に言い表されると言い表したのはダレだったろうか。
チャリのメットってあれだよな。
都会にこそ必要なんじゃねーのかって考えちゃうよな。
交通量が少ない場所に棲む人間ほど、なぜ、こぞって頭部を守ろうとするのであろうか。
謎である。
いや、どうせならみんな付けるか付けないかすればよいのに。
かぶらないことで、町の不良は強がればよいのに。
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とある週末に骨折をした。20歳前後のことだったと思う。
左足の小指の骨を折った。原因は川底に転がっていた石よりもうちの小指がやわらかかったからだ。
その翌週、新潟の湯沢まで仲間数人と夏休みを利用して避暑に赴いた。
ゆえにその湯沢行においては、ギプスこそ付けていなかったけれども足首あたりからガチガチに固めたケンケン野郎ケンボーと化していたのである。
その道中、柏崎に行った。
日本海まで出た。
浜辺で興じる友人その他を眺めながら、海の家でひとりつまんだホタテが美味かったような気がする。
そういえばあれが初めての日本海だったかもしれない。
なんてことをいつだったか思い出したことを思い出した。