- 作者: 本田靖春
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1985/07
- メディア: 文庫
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山って超縦社会なのな。そして組織の力関係なんかは、吹雪やクレバスと別のところで戦いを繰り広げちゃってんのな。
何がいいってこの本の主人公たちは“寄せ集め”なとこ。いわゆる雑草。
誇れる山歴があるわけでもなし、超人的な体力に胸を張るわけでもなく。予算集めに関しちゃ慣れないスーツで頭下げまくってます。
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第二次アタックで世界第二の高峰を落とすんだが、印象に残る一文。
“撤収してふもと町まで下りてきた新貝(隊長)を待ち受けていたのは日本山岳協会からの電報。それには羽田に着いてタラップを降りる順序から記者会見での発言内容まで事細かな指示が記してあった”と。
自由ではない自由。
それでも山男は山に登るんだよ。