elegy and dirge

そんなTommyの親父さんはタッパは小さいが、鋭く、賢そうな目をした、歴戦の勇士。
一回彼らの家に遊びに行ったとき、ベトナム戦争のドキュメンタリー映画を見せてくれた。俺らにそのストーリーを説明するとき、酒の勢いもあっただろうが彼は泣いていた。思い出し涙なのか、悔し涙なのか。
いつ、なぜ、どうやってこの国に来たかは知らない。けれども、ふたりの子供を異国の地で育て、学校に通わせ、本人はオージーのファーマーに使われてここまで来たゆるぎない事実。
戦士の影を彼の後ろに感じたよ、本当に。