「今日は敬老の日ですね」
「そうなのよ、敬いなさいよ、あたしをよ」
などという会話が繰り広げられなかったのはその場にいたあたしのお墨付きにより確実です。とてもかわいい通りすがりのおばあちゃんでした。
敬老の日だからといって身構える前に、自然にジジババ孝行せえと声大で言いたいです。それは何も身近な血族でなくとも、駅のエレベーターでもスーパーの自動ドアでもじいさんばあさんをいたわることぐらいできるです。
おれはおれの娘息子には、後ろから来る人のためにドアを開けて待つことができる人になってほしい。エレベーターを降りた後は次に乗り込んでくる人のために扉をおさえられる人になってほしい。それはまあ高齢者の方々に対してだけじゃないけど、自分の時間を見ず知らずの他人のために使うのはけっして無駄ではないと考えていますですあい。
そんなきみたちのこどもたちに、どんなじいさん像を見せてやれるかいまから楽しみでなりません。
あ、一言さらりとじいさんばあさん（おれの両親）おめでとう。
