221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 映画館『風立ちぬ』

ジブリ作品と荒井由実の組み合わせは、もう本当に嘘みたい。ホントにウソみたい。
松任谷じゃねえよ、荒井時代だよ。1stアルバムは本当に名盤だと思います。
それでは聴いてください。荒井由実で、『ひこうき雲』。


★『ひこうき雲』(荒井由実


風立ちぬ」観てきました。正直なところ、まったく期待してなかったので、打ちひしがれることも、予想外にいいもん見たわ感もなく、まったくなく、思っていたとおりの平坦なおれのこの感情をどうすればよいのか特に悩んでいません。

映像もこれといってクソキレイじゃないし、話も単調で盛り上がりに欠けるし、庵野監督の棒っぷりもたしかに特筆すべきものがあるし。
ただ、見終わって、自宅に帰って、冷静に振り返ってみると、確信犯ではないかと。
どう考えても事態が好転するわけがなかったあの時代に、人命を奪い、家族を不幸のどんぞこに陥れるような存在を生み出すことに情熱を傾け続けた主人公の悲哀を表現するには、まるで“無”の人が声をあてるが良しとハヤオは判断したのでしょう。
まあおれは絶対に力量ある声優さんに、意図するところを汲み取って、無なら無、有なら有、つまりはしっかりとした感情表現をしてもらった方がよいと思いますがね。


ただね、『ひこうき雲』は本当に名曲。この曲を流したいがために映画つくったんじゃねえかってぐらい合っている。「泣ける」って人は、エンドロールの入り口のことを指して言っているのではないかってぐらい素晴らしいです。
つまりは、いずれ地上波でやったときに、最後のぶった切りラストで終わり、『ひこうき雲』が流れないまま流すようなテレビ局はつぶれていい。仕事すんのやめちまえ。
おすすめです。