221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 ひらりとかわして

水無月の墓 (新潮文庫)

水無月の墓 (新潮文庫)

たしかにそうだ。その人が死んでいるかどうかは、その人が死んだことを情報として得ているかどうかにかかっている。
だから目の前を歩く土気色した人が本当に生きているかなんて、初対面の僕にはわからないんですよ。
というお話がそろってる短編集。真理子節炸裂中。
ホラーであり恐怖でありだいたいのところ幽霊譚なんだけど、あくまで日常生活の中で“自分が自分を”もしくは“自分が相手のことを”死んでるとは思ってない。
だから「お化け屋敷? なにそれ」っていうあたしもすんなり読めることです。
風、陽、緑、夜がやたら美しい。ひとおもいにそっちの世界に住んでしまおうかってぐらい。実はオレはすでに……ってぐらい。