- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
結婚にかぎった話だけでなく、要は日常生活で起こりうる少々怖めな短編集。
表題作の「崩れる」からしてキテるが、目次を見ると「怯える」「憑かれる」「壊れる」「見られる」など、なかなかタイトルだけでもびびる。
特に「腐れる」はかなりのもんです。人間の最後の記憶、感覚は鼻に残るっていうのも納得。女性の、特に奥様の心理描写がうまいですね。
喉元すぎればなんとやら。さしずめ鼻元すぎればってことなんだが、そのにおいを嗅ぐと思い出す光景は、その当時流行ってた音楽によって思い出す記憶よりも鮮明。
まずは嗅覚が聴覚に一勝。