221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 パックンたしかハーバード

放浪記者であるiwnくんに読ませたい一冊だね。ジャーナリストって人種の、努力の仕方のひとつにはこういったものもあるのかと。
著者が参加したニーマン・フェローシップとはハーバード大学がジャーナリストのために開いた特別研究制度。各国から第一線で活躍しているジャーナリストが集まってきて、一年間交流を深めると。
それこそ歴史から経済から哲学からなんでもいい。自由に授業を選択してよく、自由に議論をぶつけていい。
ただしその一年の間は母国の新聞社の仕事は一切してはならん。仕事のプレッシャーからの解放も目的のひとつだからだという。
舞台がレーガン政権発足の1988年前後なため、いささかいまの日米関係とは差異があるけれど、当時のジャーナリストの興味がどっちの方角を向いているかを知るだけでも非常に面白い。
ウォーターゲート事件の取材を指揮し、アメリカのジャーナリズム界では知らないものはいないというハワード・サイモンズ。
彼がニーマン・フェローシップのボスだったそうだが、機会があれば向こうのジャーナリストに会ったとき、その名前をつまみに一杯酒を飲みたい。
89年にその生涯を閉じているが、医者と家族以外に最後に会ったという筆者にもいずれ会いたいものです。
何を論じ合うつもりは毛頭なく、「話してて楽しい」と言われればそれでOKです。