221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 大事なものはそのときつかめ、と

十九、二十(はたち) (新潮文庫)

十九、二十(はたち) (新潮文庫)

原田宗典は好きだなあ。青春物語だろうがエッセイだろうが面白いもんは面白い。
借金まみれの父、上京後に見つけたバイトはエロ本の配送仕事。19歳から20歳にかけての青春物語ですぬ。
いいね。どこがいいって、救われない終わり方。救われないからいい、っていう理由でなく、この終わり方がただ単純にいいって話。いやー、誰も救われてない。
最後の一行を紹介しよう──
“こんなふうにして十九の夏が終わり、ぼくは二日早い二十歳の誕生日を迎えた。”
ちなみにオレが二十歳を迎えた瞬間は、自宅のベッドで『風の谷のナウシカ』を読んで涙してた。あー懐かしい。