221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 氷が張ったら公魚釣りだ

ダイヤモンドダスト

ダイヤモンドダスト

田舎のしばれる風景がよく似合う人、南木佳士さん。
イ・カンボジアで難民医療活動に参加した医師。帰国後もその当時の記憶をフラッシュバックさせ、今の自分の状況と交差する物語。冬の厳しさ、葉を落とした木々に囲まれ、山間を流れる川がよく似合う。
一冊を通してのテーマは「死」。
“英雄と呼ばれる人たちが成し遂げた偉業そのものよりも、その英雄たちが現在は死んでいるという現実に興味を持った”というようなくだりが本中にあったが、その一文に激しく共感。
順番をつけて比べられるものではないが、人はその順序を決められない。
人の死をテーマにしたこれほど美しい物語、美しい情景が浮かんでくる物語を、ぼくはいままで読んだことがない。