221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 灰となって

2年前→付き合い長いね、きみたち

思い描いている光景がある。ちょっと高いところから半透明でふわふわと眺めている光景だ。
そこは斎場。いわゆる焼き場。親戚一同、あの子は明るかったの友だちに恵まれたのそういや仕事は何してたっけかと、正誤さまざま口にしている。
しばらくして釜にくべられる段となり、皆合掌するなかでひとり家内だけはぼんやり中空を眺めている。
身内に声をかけられても無反応。手を取られ、動こうとすれば黙って首を振る。
ふわふわと半透明であっても、出会ってから別れるまでを振り返ることができてよかった、と思う。そして再び互いの顔を見ながら笑いあうことができないことを知り、冬の空に溶け込んで、そして消える。

みたいなことを、12月の年の瀬、皮膚科の待ち時間に思うよ。目の前の老夫婦は仲が良さそうです。できれば添い遂げたいものだね。
風邪ひいたかな。