221kgの海と空

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 『教科書に載った小説』

教科書にのっている小説を集めたアンソロジー。編者は佐藤雅彦氏、だんご3兄弟の人です。
うちにとっての彼は『クリック』のイメージが強く、感受性が強かった時代に読んだこともあって、いまだに身近な存在なのですなんとなく。

教科書に載った小説

教科書に載った小説

ともあれ教科書にのっている小説というのはとにかく義務的で、主人公の感情を200字以内に述べざるをえず、述べられず、あまりの堅苦しさにしめてもいないネクタイを外したくなるものが多かった気がします。
そしていま、そんな小説たちばかりを集めた一冊を読み、面白いと感じるのはなぜなんだろう。それはきっと、おれが小学生じゃないからだな。
それって芥川龍之介にも吉村昭安部公房にとっても幸せなことであると同時に、当時の小学生つまりはおれたちにとってはそんなわけのわからんお話読むよりも現代史の一つでも学んだ方がよかったんじゃねえかってハナシにはけっしてならない。
ともあれともあれ、うちはそれほど熱心な教科書読者ではなかったので、初見の小説ばかりにそれはそれは新しい発見をさせてもらい多謝です。
『とんかつ』(三浦哲郎)や『絵本』(松下竜一)、『父の列車』(吉村康)など、心打つ作品に出会えてふと小学生の自分の記憶をたぐりよせました。
豆でした。