そういえば一点。
映画『ソーシャル・ネットワーク』の中頃に、High Societyの権化ウィンクルボス兄弟とオランダチームが戦うボートシーンがあるんです。
ボートっつってもあれね。原動機なしの手漕ぎボートです。Crewです。
従来は、目の前に立ちはだかり肩を並べて順位を競いあうスポーツの相手それのみがある意味兄弟の唯一の敵だったわけです。
ところがどっこい、ある日文化系オタクのナードでギークなマーク・ザッカーバーグがあらわれ、すべてが思い通りだった兄弟の地位をおびやかす(侵略する意味でなく)存在になってしまった。
なんなんだアイツは。ナメくさりやがって。うちのお父さんすごいんだぞぷんぷん。
でもハーバードの紳士は法に訴えるなどという恥ずかしいことはできないのだ。訴えるならまず学長だ。
なんつってコテンパンにやられるんだけどまあそれはいい。
肝心なのは、このレースの結果です。
ボートでも、負けたのです。
でも、です。でも。
彼らはこれを機に、マーク相手に裁判を起こすことを決意します。つまりこの“負け”ってやつは、物語上けっこう重要なのです。
てな具合にここまで引っ張ってきといて、うちが言いたいのはまったく別のことでして。
全編を通してこのボートレースシーンだけ、ミニチュア風に撮っているんです。
いち時期流行ったじゃんかこーゆーやつ。
デヴィッド・フィンチャーがPV出身だからっつーのもおおいに関係しているはず。
いや、すんごく印象にのこったので。
その時点で成功だわな。