- 作者: 山口瞳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1979/03/01
- メディア: 文庫
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酒場というのはそもそもがバカな金をつかうところであって、それに文句を言う筋合いはない。
バカな金をつかう。
それでちょっといい気分になる。
そのかわりお店の方でも気をつかってくれるし、面倒をみてくれる。
それが客と店の関係であり、そうでなければ酒場の存在などまったくの無意味だ。
金のことを言うなら家で飲んだ方がいいにきまってる。
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とはよく言ったものです。素晴らしいです、瞳氏。
酒飲みの心理を、正確にはそのまわりの心理をうまく突いた一文が以下に。
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酒乱が帰ってくる。
家族は逃げ隠れ、お酒を隠して近寄らない。もしくはもう飲んじゃダメと説教する。これがよくない。
しこたま飲んでこのザマなのだから、ちょいと濃いめの好みの酒でも「今日も一日お疲れさまでした」とかなんとか言いながら差し出せばあっという間に寝ちゃうって、勝手に。
たしかにたしかに。
『酒呑みの自己弁護』ってタイトルも秀逸です。