221kgの海と空

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 不良アルピニスト

落ちこぼれてエベレスト (集英社文庫)

落ちこぼれてエベレスト (集英社文庫)

野口健にはふたつの幸運があったと思う。
ひとつは、この本のキーワードにもなっている“落ちこぼれ”だった頃に植村直己の存在を知ったこと。
ふたつ目は、父親が外交官ということもあり、幼少時代から多文化、そして他文化の中で生活をしていたこと。
順序はどうあれ、彼がアルピニストとして名を馳せることができたのは、言うまでもない本人の努力とは別に、このふたつの幸運について理解をしなくてはならないだろう。
とかなんとか言ってみるテスト。
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彼の行動ってすべて反発心から来てるように感じたよ。それの持つエネルギーの強さを再確認しました。姿勢は常にレジスタンス。
田部井淳子星野道夫植村直己。有名どころの冒険家しか知らないが、自然と共生、そして全力で戦う人を尊敬するのです。
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あるときエベレスト(=チョモランマ=サガルマータ)を目指したロシア人とアメリカ人のカップルが登頂中に遭難した。
凍傷に足をやられた妻は「あなただけでも登って」と夫を先に行かせ、登頂して降りてきた夫は一旦最終キャンプまで下り、食料や水、酸素ボンベを担いで再び妻のところに戻ってきた。
やられているのは下半身だけなので意識はしっかりしている。しかし歩けない。ふたりでは一緒に下山できない。日も暮れ始めている。
どうしようもないことを悟った夫は妻の目の前でジャンプして命を絶った。その晩妻は凍死した。
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これらのやりとりや救援を求める声はすべて無線で下のキャンプに届いていたそうだ。しかし誰も助けには行けない。
自力で歩けなくなったら誰も助けることができない。それが8000m級の世界だという。