旧富士山と新富士山

- 作者: 半村良
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/01
- メディア: 文庫
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一応短編集の形態はとっているけれど、どのお話のベースの部分にはタイトルにもなっている“黄金の侏儒宮”がからんでくる。
お金持ちがお金持ちになりえた所以と、それに関わる周囲ね。そして印象的なのはどの話も結果まで見せないとこよ。
たとえて言うなら、
「ドラえも〜ん、またジャイアンにいじめられたよう」
「もうしょうがないなあ……<てててってて〜♪>……“ツッパリミネラルウォーター”!!」
ってとこで話が終わる、みたいな。「えっ、それってどうやって使うの?」とは聞かせない、みたいな。
でも別に鬱屈感は特になし。感じる人もいるだろうけど。