221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 旧富士山と新富士山

うむ、なかなか面白いのではないかと思う。その名前と麻雀風景はかねがね“筒井本”でチラ見していたが、著作を読むのは初めてだい。
一応短編集の形態はとっているけれど、どのお話のベースの部分にはタイトルにもなっている“黄金の侏儒宮”がからんでくる。
お金持ちがお金持ちになりえた所以と、それに関わる周囲ね。そして印象的なのはどの話も結果まで見せないとこよ。
たとえて言うなら、
「ドラえも〜ん、またジャイアンにいじめられたよう」
「もうしょうがないなあ……<てててってて〜♪>……“ツッパリミネラルウォーター”!!」
ってとこで話が終わる、みたいな。「えっ、それってどうやって使うの?」とは聞かせない、みたいな。
でも別に鬱屈感は特になし。感じる人もいるだろうけど。