- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/03/01
- メディア: 文庫
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「こんな男子高校生でありたかったなあ」とは、いまだから言えることだと思うが。
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物語ではそのいち場面しか出てこない教頭先生の言葉が忘れられん。
主人公の“秀美”が小学生だったころ、「生きていることと死んでいることの違いは?」と訊く。その答えがイカしてんだ。
秀美に腕をかませ、血がにじむ。秀美の口の中には血のざらつきとあたたかみと鉄の味が広がる。
「いきている人間の血には味がある。おまけにあったかい」と。そして「死んでいる人間にはそれがない」と。
だから、「死にたくなければ冷たくって味のないやつになるな。いつでも生きてる血を流しておけ」ってね。
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うーん、素敵。こういうのアタシ大好きだ。
ああ、けっして熱血青春物語ではないので、ご安心めされい。