飯島愛『プラトニック・セックス』
神楽坂時代にお世話になった編集者fkiさんの言葉。『もっと本を読め。一見つまらなそうな本でも、売れている本は全部読め。読まなかったら、なんで売れているのかわからないだろう？』。うむ、興味深い意見だ。そんな言葉を胸に、最近の書籍購入基準は“聞いたことがあるが、読んだことがないもの”。コレもそのうちの一冊。
実は名著かも。担当編集者が頑張ったのか、文章、物語としてのまとまりは素晴らしいものがある。「愛する男性と一緒にいたい」と、ここまでセックスやりまくっている人の口から聞くと、「そ、そうなのかぁ」ってことに正直なるがね。
母親の日記を後々覗き読むことになるのだが、「私はこの子の母親であることをはじめて放棄する」と最後の日付に書いてある。母親が母親であることをあきらめるまで母親を追い詰めた飯島愛。そして結果、生き抜いた娘、飯島愛。
本著の上梓は2000/10。今の“負け犬”のように、当時の強い女性像は“赤裸々に体験を綴る”ことだったのか。そんなことを思う。
